あなたの選ぶゆるゆりのうた12曲 ~俺編~

 12曲という曲数は、まあ“アルバム”という形式の一般的な曲数といえるはずでして、実際はそうでもないことも多いのだけど、1曲5分計算でちょうど60分という具合のよさは僕にとってはなんとなく魅力的なんですね。

 車で音楽を聴くことが多い僕は、CD-Rにお気に入りの曲を詰められるだけ詰めて焼き、それを車内で流すという方法をこれまでとっていて、その容量に収まる範囲でどれだけの素敵なCDを作れるかと考えながら曲を選ぶのはわりと楽しい作業だったわけで、そういうのは誰にでも覚えがあることでしょう。
 ところが最近、iPhoneに入れている曲を車内で流せるぶるーとぅーなんちゃらFMとらんすかんちゃらというアレで、手持ちの曲をまるごと持ち出せるようになってしまったので、そういう楽しみがなくなってしまいました。
 が、そんな個人的な話はどうでもよくて、とにもかくにもこの“苦悩しながら選び抜く”というのを、ゆるゆりで、それもTLのみんなでやっちゃおうよ的なpostをしたら、何人かの方が反応してくれまして、ブログやついったーで発表してくれたり、ウンウン唸りながら悩んでくれたりする人が現れ始めたのですね。
 これはいかん、僕もやらなきゃと思いまして、やってみた。 (前置きが長い)
 各曲に対するコメントによって全体的にかなり煩雑になってしまったので、とりあえずは曲目一覧からどうぞ。


1. いぇす! ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪ / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
2. あのねっ! / 吉川ちなつ (大久保瑠美)
3. きらいっぱい×すきいっぱい / 大室櫻子 (加藤英美里)
4. もう! そぉ? トゥナイト / 古谷向日葵 (三森すずこ)
5. パジャマ旅行 / 歳納京子 (大坪由佳) & 船見結衣 (津田美波)
6. chuchuchuri lovely / 池田千歳 (豊崎愛生)
7. Miracle Duet / 歳納京子 (大坪由佳) & 杉浦綾乃 (藤田咲)
8. ハレルヤいつも / 歳納京子 (大坪由佳)
9. しあわせギフト / 赤座あかり (三上枝織)
10. Precious Friends / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
11. マイペースでいきましょう / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
12. ゆりゆららららゆるゆり大事件 / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)


 まあこんな感じです。以下に、コメントつきで紹介いたしますので、興味ねえ奴はここで帰れ。 (でもほんとは読んでほしい……)


1. いぇす! ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪ / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
 ゆるゆり♪♪の放送が終了してもうだいぶ経ちますが(ええ僕はまだ2日ぐらいしか経ってませんよ。それがどうかしたんですか。死にたいのですか)、この時点においてもなお、ゆるゆり界隈で最も勢いのあるであろう『いぇす! ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪』で、初っ端から一気に聴衆のボルテージを上げていきます。

 ♪♪1話でこの曲が使われたOPを目にしたとき、まず最初に「みんなでっかくなったなぁ……」と。『ゆりゆららららゆるゆり大事件』ではまだその身にあどけなさが残っている感じがしましたが、僕の目に飛び込んできた彼女らの背中にはもうそういった風情は感じられず、ほんとかわいいしかっこいいし、非常に堂々と自信を持って「私たちがごらく部だ」と、そう主張しているかのようで、その成長ぶりにちょっと目頭が熱くなったものです。
 関係ないのですが、近ごろ僕のTLでは「ゆるゆりおじさん」なる単語が飛び交っていて、正直なところあまり好きな言い回しではないのですが、こうやってあかりたちの成長をうれしく思う僕の姿はきっと完全にゆるゆりおじさんなのだろうなぁと思ったり思ったりします。


2. あのねっ! / 吉川ちなつ (大久保瑠美)
 チーナに秘められたアイドル性にめいっぱいの期待を込めて、1曲目以上に重要と考えられるこの2曲目という位置を彼女に任せます。ここから4曲目までは、紅白歌合戦でいうところの、わりと早い時間帯に登場するアイドル歌手的な立ち位置。若い力でぐいぐいと引っ張っていってもらいます。

 順当に盛り上がるに違いない一曲。
 ところで、彼女のキャラクターソングはそのほとんどが結衣への恋心を描いたものですが、この『あのねっ!』も例外ではありません。しかし曲中の一部で「わたし、結衣先輩が大好き! でも……でもほんとは、みんなでいるのがいっちばん好きだよー!」と本心を明かしてくれるんですね。これをどう捉えるかは各々のちなつちゃん像次第ですが、まあ僕は本当のことだと思っています。だから僕は、ちなつちゃんはかわいいと言っているんです(逆ギレ


3. きらいっぱい×すきいっぱい / 大室櫻子 (加藤英美里)
 ゆるゆりの問題児その2こと大室櫻子と共に叫べ! おっぱい! 禁止!

 『365コ』で思いっきり切ない気分にさせてもらうのもよかったのですが、ここはこの『きらいっぱい×すきいっぱい』で思いっきり楽しくしてもらいましょう。キラキラピコピコとしたサウンドはおそらく子どもにもウケがよく(どういう選考基準だ)、また、そのサウンドと歌い方のせいで精神年齢が10歳を切ってるんじゃないかと感じてしまうのですが、「わたしからあなたへの大切な気持ち伝えたい」というフレーズに差し掛かるとたちまち13歳の女の子に戻ります。一瞬だけ。ですが、その一瞬だけ見せる真実のかわいらしさが僕を惹きつけてやまないわけです。
 また、あるフレーズの「咲く日まで」にさくひまが引っ掛けられていることを知ったときは、「やられたッッッッッッッッ!!!!!!」とあたまかかえましたね。
 あとあれでしょ。どうせみんな櫻子がおっぱいおっぱい言うの好きでしょ(なげやり


4. もう! そぉ? トゥナイト / 古谷向日葵 (三森すずこ)
 ステージの袖から櫻子の歌を聴いていた向日葵が顔真っ赤にしながら突進してきます。「あとはわたくしに任せて、あなたは引っ込んでなさい!」 でも歌はデレデレ。もう勝手にやってくれ。

 一言で言えば、青い空にすっと突き抜けるような心地よさを持った曲。向日葵と櫻子が顔を合わせればケンカばかりするのも、単に彼女らの気持ちがまっすぐだから。そこにはヘタな駆け引きや化かし合いがないから、向日葵と櫻子を見ると僕らはほっと安心するんですね。声が向日葵じゃないような気がするのはご愛嬌。


5. パジャマ旅行 / 歳納京子 (大坪由佳) & 船見結衣 (津田美波)
 ちょっと出番が早い気がするというか、どう考えても早すぎるのだけど、ここまでで上げてきたテンションをいったん落ち着かせ、しっとりしてみます。

 もはやあれこれと語るのも野暮ったい。曲中のいちフレーズ「優しい風そよぐように」は、そのまま楽譜の演奏記号「優しい風そよぐように」としてもなんら違和感がない。
 まー、当時この一曲にはしてやられました。各人がどの地点でゆるゆり沼に引きずり込まれたか、という論題がありますが、僕はここだったりします。こいつのおかげで曖昧だった僕のゆるゆり観はほぼ確定し、TL見てないと死んじゃう僕を一ヶ月もTLから引き離したうえSS漁りの旅に誘い、すっかり夢見心地にさせてくれたものです(パジャマ旅行だけに)。
 余談ですが、上のアーティスト名のところに「歳納京子 (大坪由佳) & 船見結衣 (津田美波)」と打ち込んだとき、やっぱり数分間ウットリしました。


6. chuchuchuri lovely / 池田千歳 (豊崎愛生)
 前半戦のラストはこの曲。千歳の登場により、続く展開に“京綾”を予感させることで、聴衆のテンションはマッハを超えるでしょう。

 もちろん、この曲自体もかなりナイスな一曲。キャラ補正、思い出補正、そういうのを全部とっぱらうと、実はいちばん好きかもしれません。ついったーでもpostしましたが、これまでとはがらりと趣向の変わる甘ったるい雰囲気が、豊崎さんの声質とがっちり噛み合う。千歳の本当のかわいらしさがもっともわかるのはこの『chuchuchuri lovely』で決まりです。


7. Miracle Duet / 歳納京子 (大坪由佳) & 杉浦綾乃 (藤田咲)
 後半戦スタート。満を持してみんな大好き京綾の登場です。楽しそうに歌う京子と、それを追う綾乃を見て鼻血を出しましょう。

 12曲を選ぶ上で、「デュエット曲は一粒で二度おいしいが、なんか反則っぽい。だったらデュエット曲枠は一枠のみで、そこに入るのはもちろん『パジャマ旅行』。これしかない。仕方ない。『Miracle Duet』は切ろう。かわいそうだが綾乃には泣いてもらう。そういう綾乃だってかわいい」と考えていたのですが、やっぱり無理でした。
 順番的にまず最初に『パジャマ旅行』を終えて、それから『Miracle Duet』へという流れは、なんとなくそうなったわけではなくて、ここには僕なりの祈りとか願いを込めています。
 これが逆だった場合、綾乃とのデュエットを歌い終えたあと京子は最終的に結衣のもとへ戻る、というイメージになると思うんです。というか、なる。これはよくない。世界が結衣と京子で閉じてしまうことになるんですね。それは、ある意味では僕の悲願ではあるのですが、やっぱり僕は結衣と京子が好きである前に、ゆるゆりが好きで、京子と結衣と綾乃が好きだから、甘ったれていると思われても、みんなが楽しい世界を選びたい。

綾乃「お疲れさま、船見さん。次は歳納京子借りるわね」
結衣「うん、綾乃もがんばって」
京子「綾乃……こんな大勢の前でデュエットしようだなんて大胆な……」
綾乃「と、歳納京子!? もしも、どうしてもイヤなら今回は……」
京子「冗談だよ~、なんか綾乃かわいいからさ~、へへっ」
綾乃「と、と、と、とs」
結衣「はよ行かんかい(ジト目)」

 という、これは大昔にしたpostのリサイクルですが、この曲順ならこういう掛け合いを成立させやすいのですね。この間、ステージに立っている千歳はこのやりとりが見られないのでかわいそうです。


8. ハレルヤいつも / 歳納京子 (大坪由佳)
 綾乃が退場し、京子の一人舞台となります。酔え、京子のかわいさに。

 『Precious Friends』のもたらす感動が、たとえば卒業式という特別な日に押し寄せてくる大津(田美)波だとすると、『ゆるゆりIラブU』がもたらすそれは、日常という海岸に散りばめられた貝殻、それはうれしいことだったり楽しいことだったりするのですが、そういうのを少しだけ拾って、みんなで見せ合ってうれしいね楽しいねと笑い合う感動なんですね。
 やや鬱陶しい前置きになりましたが、その『ゆるゆりIラブU』の流れを汲んでいるのではないかと個人的に考えているのが、この『ハレルヤいつも』。底抜けに明るくて、思ったことはなんでも口にして、裏表なんてまるでなさそうな京子(もちろん実際そんなことはない)が、それでもなかなか言えなかったであろう仲間への感謝を、照れ隠ししながらも楽しく歌い上げている一曲。


9. しあわせギフト / 赤座あかり (三上枝織)
 主人公から主人公へ。バーンと勢いよく登場したあかりが、♪♪最終話のカーテンコールよろしく、京子とハイタッチしてから交代なんてしてくれちゃったら、俺ほんともう死ねる。

 どうにもネタ臭の抜けないあかりのキャラソンの中で、唯一正統派と呼べそうな一曲。なんというかですね……まー、かわいい! かわいい! 以上です。あ、あかりがいま「ええ~!! それだけ~!?」って。かわいいな、おい。でも実際、かわいい以外の言葉が見つからないと僕は考えます。


10. Precious Friends / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
 ゆるゆりガチナンバーの最高峰『Precious Friends』をここで。一生懸命『しあわせギフト』を歌い上げたあかりが「いつもありがとう♪ えへへ♪」と締めたあと、そこへごらく部の仲間が集まってくる演出で、一気に泣かせにかかります。

 言うまでもなく『MY SWEET MEMORY』と迷ったのですが、あちらは、どちらかといえば彼女たち自身のための曲という気がしまして。この『Precious Friends』も彼女たちのための曲であるのには違いないのだけど、かろうじて僕らに歌いかけてくれている可能性があるとするならやっぱりこっちなのかなと考えました。


11. マイペースでいきましょう / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
 はい!はい!はい!はい!はい!はい!うー、いぇい!(コメント書くのがめんどくさくなってきた人)

 きっと何年、何十年、何百年が経っても「ゆるゆりのEDはこれ」と語り継がれるわけで、それは当然、この曲はゆるゆりのEDだったのだから当たり前なのだけど、そういう当たり前の事実を差っ引いても、ゆるゆりはこの曲で終わってほしいという願いです。


12. ゆりゆららららゆるゆり大事件 / 七森中☆ごらく部 (三上枝織, 大坪由佳, 津田美波, 大久保瑠美)
 ゆるゆりの象徴たるこの曲でエンディング。エンディングでオープニング? いいえ、リピート再生でゆるゆりは2期に続きます。

 きっと何年、何十年、何百年が経っても「ゆるゆりのOPはこれ」と語り継がれるわけで、それは当然、この曲はゆるゆりのOPだったのだから当たり前なのだけど、そういう当たり前の事実を差っ引いても、ゆるゆりはこの曲で始まってほしいという願いです。コピペです。
 『ゆりゆららららゆるゆり大事件』も『マイペースでいきましょう』も、耳に残る曲調、思わず口ずさんでしまうフレーズのおもしろおかしさは、他のどの曲の追随も許しません。
 それにしても、どんなアニメにも“1期OP・ED”の重みというのはあるのでしょうが、そんな重圧を楽々とはねのけられるパワーを持った『ゆりゆららららゆるゆり大事件』と『マイペースでいきましょう』にはいたく感謝せざるをえない。ありがとう。えへへ。あかりじゃないです。


 以上。
 現時点で自分が音源として持っている曲のみ、「好きな曲上位12曲」ではなく「ゆるゆりを余すところなく表現する12曲」、などといった条件で選んでみました。ゆるゆりを余すところなくなんてそもそも12曲じゃ無理で、実際どうしても入れたかった『ごらく部、愛と勇気と希望と友情のテーマ』や『女と女のゆりゲーム』が外れる結果となってしまいましたが、それでも、こうやってゆるゆりを真剣に考える時間をつくれたということは、すごく意義のあることだったはずです。なにより楽しかったし。
 最後に場外乱闘(反則)のおまけを付け加えて、お別れのご挨拶に代えさせていただきましょう。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


13. Let's Go ゆるゆり world!! / 三澤康広
 『ゆるゆりの音楽♪YURUYURI ORIGINAL SOUNDTRACK』から。1期ゆるゆりのエピソードタイトル時に流れるジングルですね。
 映像を想い起こさせる力、これを僕は映像想起力と名づけているのですが(結衣「まんまかよ」)、せいぜい5秒ぐらいの、ほとんど効果音ともいえるこの『Let's Go ゆるゆり world!!』のそれは、OP曲やED曲以上に“ゆるゆりの画面”を目の前に浮かび上がらせてくれますね。その辺に転がってるSSを読み始めるときなど、これを流して頭をゆるゆりにしてから読むという儀式をよくしていたものです。